秋田のご当地グルメは、稲庭うどん・比内地鶏・きりたんぽ・横手やきそばの4大名物を軸に成り立っている。夏にはこれに冷たい稲庭うどんとババヘラアイスが加わり、冬にはハタハタ料理ときりたんぽ鍋が食卓を彩る。「秋田に来たら何を食べるべきか」——この記事では公式情報にもとづいた代表的な提供店と各料理の楽しみ方を紹介する。この情報は2026年5月現在のものです。最新の営業時間・料金は必ず各店公式サイトでご確認ください。
秋田の5大ご当地グルメ、何をどこで食べる?
秋田グルメを把握するには、カテゴリとエリアの2軸で整理するのが早い。稲庭うどんは湯沢市稲庭町が発祥だが、秋田市内に専門店が揃っており観光の拠点から動きやすい。比内地鶏は大館市一帯が産地で、秋田市内にも専門店がある。きりたんぽは秋田市内の郷土料理専門店や居酒屋で通年提供されており、横手やきそばは横手市の暖簾会加盟店が中心だ。ハタハタは旬が11〜12月の冬だが、加工品のハタハタ寿司はお土産店で通年手に入る。
夏(7〜8月)に訪れるなら、冷たい稲庭うどんとババヘラアイスを軸に旅程を組むのが王道だ。秋冬ならきりたんぽ鍋・ハタハタ・横手かまくらとグルメが次々に解禁される。どの季節に来ても「食べきれない」という嬉しい状況が待っている。
冷たい稲庭うどんは夏の秋田旅の主役|日本三銘うどんを本場で味わう
7月の昼下がり、秋田市内の稲庭うどん専門店に入ると、茹で上がった細麺が涼しい水の中で光っている。箸でひと口手繰り寄せると、つるりとした感触が指先に伝わってくる。口に含んだ瞬間の喉ごしの良さと、噛むごとに感じるしなやかなコシ——味付けのシンプルさがかえって麺そのものの風味を際立たせる。これが稲庭うどんとの正直な最初の出会いだ。
稲庭うどんは秋田県湯沢市稲庭町を発祥とし、讃岐うどん・水沢うどんとともに「日本三大うどん」のひとつに挙げられる(出典: アキタファン・稲庭うどん)。江戸時代中期(宝暦2年/1752年)に佐竹藩主の御用うどんとして採用された由緒ある品で(出典: 稲庭うどん協同組合 公式サイト)、手延べで仕上げる細い平打ち麺が特徴。夏は冷たく・冬は温かくと、どちらのスタイルでも楽しめるが、透き通るほど冷やされた夏の一杯は格別だ。
佐藤養助商店
稲庭うどんを全国に広めた老舗として知られ、稲庭町に総本店を構える(公式サイト)。総本店では職人の製麺工程を間近で見学でき、食事処で定番・季節限定メニューが楽しめる。秋田市内を含む複数店舗を展開しているため、旅のルートに合わせて立ち寄りやすい。
寛文五年堂 秋田店
秋田駅にほど近いロケーションが旅行者に便利な店舗(公式サイト)。乾麺と生麺の食べ比べセットは本場ならではの体験で、冷たい稲庭うどんは夏のランチに人気が高い。最新のメニュー・営業時間は公式サイトで要確認。
無限堂 秋田駅前店
地元客・出張者・観光客の三者に支持される秋田駅前の専門店(公式サイト)。ランチタイムには冷たいうどんのセットメニューを提供することが多く、駅近のアクセス利便性が忙しい旅にも助かる。最新情報は公式サイトをご参照ください。
稲庭うどんのお土産としての乾麺は秋田駅や秋田空港の売店でも購入でき、常温保存できる点が持ち帰りに便利だ。各ブランドの個箱・ギフトセットが並ぶため、価格帯に合わせて選べる。
比内地鶏の親子丼・焼き鳥|希少なブランド鶏のうまみを堪能する
比内地鶏の焼き鳥が焼き台に並んだ瞬間、皮の脂が炭に落ちてぶわっと煙が立ち上がる。その煙に乗ったこうばしい香りの中で串を受け取ると、箸を入れた瞬間に感じる肉の弾力がブロイラーとは明らかに違う。噛むほどに出てくるうまみ——これが比内地鶏を初めて食べた人が「鶏肉のイメージが変わった」と言う理由だ。
比内地鶏は秋田県の在来種「比内鶏」を改良したブランド鶏で、農林水産省の地鶏認定基準を満たした鶏のみが「比内地鶏」と名乗ることができる(出典: 秋田市観光サイト アキタッチ+)。親子丼は比内地鶏のがら出汁・卵・肉をすべて同じ鶏で揃えることで、全体に深みのあるコクが重なる一品になる。
本家あべや
「秋田比内地鶏生産責任者の店」として知られ、生産から提供まで一貫管理した鮮度が特徴(公式サイト)。毎日仕入れた丸鶏を店内でさばき、親子丼・焼き鳥などで提供している。混雑期は予約推奨。最新の営業時間は公式サイトを確認のこと。
秋田比内や
比内地鶏の生産・開発を手がける秋田比内や株式会社の直営店で、素材の品質に裏付けされた料理が味わえる(公式サイト)。きりたんぽ鍋コースも提供しており、比内地鶏を複数の調理法で一度に体験できる点が旅行者に好評だ。
きりたんぽ鍋は秋田の魂が宿る郷土鍋|専門店で通年食べられる一品
深い琥珀色のスープが土鍋の縁まで張り、きりたんぽ・舞茸・ごぼう・せりが浮かんでいる。火にかけると、土鍋のふちからぐつぐつという低い沸騰音が聞こえはじめ、蓋を開けた瞬間、比内地鶏のだし・ごぼうの土くさい香り・せりのすっきりした清涼感が混ざり合った湯気が一気に顔へ押し寄せてくる。その音と湯気を受け止めたとき、胃袋がざわっと反応する——これがきりたんぽ鍋との初対面だ。
きりたんぽは秋田県北部の大館・鹿角地方を発祥とする郷土料理で、農林水産省の「うちの郷土料理」データベースにも収録されている(出典: 農林水産省 うちの郷土料理)。山仕事の人々が残りご飯を棒に巻いて焼き、鍋に入りやすい長さに切ったことが名前「きりたんぽ」の由来とされる。比内地鶏のがら出汁に醤油ベースの味付けを施したスープが標準形で、主に秋冬の料理とされるが、専門店では通年提供されることが多い。
秋田きりたんぽ屋 秋田駅前本店
炭火焼きの自家製きりたんぽを売りとする専門店で、JR秋田駅西口から徒歩圏内の好立地が旅行者に便利(公式サイト)。「本物のきりたんぽを手早く味わいたい」という旅行者の候補筆頭の一軒だ。最新の営業時間・予約方法は公式サイトで確認してほしい。
横手やきそばは太麺と目玉焼きが命|秋田が誇る全国区のB級グルメ
鉄板から外された横手やきそばが目の前に届いたとき、最初に目を引くのは上に鎮座する半熟の目玉焼きだ。箸で黄身を崩すと、とろりとした黄身が太麺全体をゆっくりコーティングしていく。甘みのあるウスターソースと黄身のまろやかさが合わさった瞬間、一般的な焼きそばとはまるで別の料理を食べている感覚になる。
横手やきそばは、横手市観光協会が運営する「横手やきそば暖簾会」が品質を管理し、加盟店のみが「横手やきそば」を正式に名乗ることができる(出典: 横手やきそば暖簾会 公式サイト)。太麺・目玉焼き(半熟)・ウスターソースが三つの基本条件で、具材やアレンジは店ごとに個性が出る。加盟店の一覧は暖簾会の店舗紹介ページで確認できる。
食い道楽 本店
「横手やきそば四天王決定戦」で12年連続四天王に選出された実力店(出典: 旅色グルメ)。JR横手駅から徒歩約5分の本店では、牛バラを加えたアレンジメニューも評判で、本場のやきそばを代表する一軒として全国的な知名度を持つ(公式サイト)。最新の営業時間・定休日は公式サイトをご確認ください。
横手市内には暖簾会加盟店が複数あるため、数軒をはしごして食べ比べる「やきそばはしご」もおすすめの楽しみ方だ。横手駅周辺は徒歩圏内に複数の店が集まっているため、半日あれば充分まわることができる。
ハタハタと秋田の発酵食文化|冬の県魚を通年で楽しむ方法
11月下旬、男鹿の漁港に大群で押し寄せてくるハタハタは、秋田の冬の到来を知らせる風物詩だ。波が高く荒れた「鰰(ハタハタ)天気」と呼ばれる日に漁が盛んになるため、カミナリウオとも呼ばれる。癖のない淡泊な白身に卵(ぶりこ)がぎっしり詰まったメスのハタハタは、塩焼き・田楽・しょっつる鍋など多彩に調理される。
ハタハタは秋田の県魚で、旬は11〜12月だ(出典: 美の国あきたネット(秋田県公式))。夏の旅行者がハタハタの「生の旬」を楽しむことは難しいが、加工品のハタハタ寿司はお土産として通年購入できる。ハタハタ寿司は米飯・麹・ハタハタを重ねた伝統的な発酵保存食で、農林水産省の「うちの郷土料理」にも掲載されている(出典: 農林水産省)。秋田駅や秋田空港の土産売り場で見つけることができる。
ハタハタの魚醤「しょっつる」を使ったしょっつる鍋も秋田を代表する郷土料理で、農林水産省の郷土料理データベースにも掲載がある(出典: 農林水産省 しょっつる鍋)。冬に秋田を再訪する理由を探しているなら、ハタハタの旬はその最有力候補になるはずだ。
ババヘラアイスは夏の秋田路上グルメ|パラソルを見たら迷わず立ち寄る
国道脇に立てられた黄色とピンクの縦縞パラソル——これを車窓から見つけた瞬間、秋田の人はブレーキを踏む衝動に駆られる。パラソルの下に立つ売り子がヘラでバラの花を模るように盛り上げてくれるアイスは、受け取った瞬間から溶けはじめるので、立ち止まってすぐに食べるのが不文律だ。イチゴ(ピンク)とバナナ(黄)の2色が層を作り、口の中でほんのり甘酸っぱさとバナナの優しい甘みが重なる。
ババヘラアイスは「ばば(おばちゃん)」が「へら」で盛りつけることからついた名で、秋田県発のご当地アイスだ(出典: 秋田市観光サイト アキタッチ+)。4月下旬から10月ごろ、国道・県道沿いや地元イベント会場でパラソル売りに出会える。竿燈まつり(毎年8月)などの大型イベント会場では特に見つけやすい。主な製造元として進藤冷菓・児玉冷菓(児玉冷菓公式)が知られており、決まった「店舗」はなく路上で出会うのがこのグルメの楽しみ方だ。
冷たい稲庭うどんのランチのあと、午後の観光中にこのパラソルをゲットする——それが夏の秋田グルメのゴールデンコースだ。
よくある質問(FAQ)
Q: 秋田に来たら最初に食べるべき一品は?
A: 通年で楽しめる稲庭うどんと比内地鶏の親子丼が定番の選択肢です。夏なら冷たい稲庭うどんとババヘラアイス、秋冬なら比内地鶏のきりたんぽ鍋が旅の柱になります。横手やきそばは横手市に集中しているため、横手に足を延ばせる行程なら必ず組み込みたい一品です。
Q: 横手やきそばは秋田市内でも食べられますか?
A: 本場は横手市で、横手やきそば暖簾会加盟店のほとんどが横手市内に集まっています。秋田市内でも一部の飲食店が提供している場合がありますが、品質が保証された本場の味を楽しむなら横手市の暖簾会加盟店が確実です。加盟店リストは暖簾会公式サイトで確認できます。
Q: 夏の秋田旅でハタハタを食べることはできますか?
A: ハタハタの旬は11〜12月の冬です。夏に生のハタハタを味わうことは難しいですが、発酵保存食の「ハタハタ寿司」は秋田駅・秋田空港のお土産店で通年購入できます。しょっつる(魚醤)を使った料理も一部の郷土料理店で年間を通して提供されています。
Q: ババヘラアイスはどこで買えますか?
A: 4月下旬から10月ごろ、秋田県内の国道・県道沿いや地元イベント会場のパラソル売りで出会えます。竿燈まつり(毎年8月、秋田市)などの大型イベント会場では特に見つけやすいです。決まった店舗はなく路上での出会いがこのグルメの醍醐味です。
Q: 稲庭うどんのお土産を買うならどこがよいですか?
A: 秋田駅構内や秋田空港の売店で、佐藤養助・寛文五年堂・無限堂など複数ブランドの乾麺が常温保存可能なギフトセットとして販売されています。複数ブランドを比較して選べるため、駅・空港での購入が便利です。

