横手やきそばとは何か、一言で言えば「半熟目玉焼きと福神漬が乗った、太いゆで麺の焼きそば」です。2009年のB-1グランプリでゴールドグランプリを獲得した秋田県横手市のご当地グルメで、市内各地の暖簾会加盟店を巡る食べ歩きは、横手観光の醍醐味の一つです。本記事では、歴代四天王の名店情報から食べ歩きルート、やきそば以外のB級グルメまで徹底解説します。
横手やきそばとは?B-1グランプリ王者の5つの特徴
運ばれてきたお皿を見ると、まず目に飛び込んでくるのは真ん中に乗った目玉焼きだ。じわりと半熟に仕上げられ、透き通った白身の向こうに黄身がぷっくりと盛り上がっている。箸で崩すと黄身がとろりと麺全体に絡みつき、ソースの塩気に卵のまろやかさが加わって味がぐっと深みを増す。
横手やきそばには、暖簾会が定める5つの基準があります(出典:横手やきそば暖簾会「横手やきそばの特徴」):
- 太くて真っ直ぐな「ゆで麺」を使用すること
- 具はキャベツと豚挽き肉が基本
- 半熟の目玉焼きを必ずトッピング
- 福神漬を添えること
- ウスターソースをベースに各店のオリジナルソースをブレンドした、辛みの抑えられた柔らかい味わい
太くてしっかりとしたゆで麺は、箸で持ち上げるとずっしり重く、噛むとモチモチとした弾力が楽しめます。細い蒸し麺や乾麺とは別物の食べ応えです。ウスターソースをベースにしたオリジナルブレンドは甘みが立ちながらも後を引く深さがあり、辛みを抑えた優しい味わいは子どもから年配の方まで幅広く受け入れられています。
この5つを守りながらも、ソースの配合や具材のアレンジは各店の個性に委ねられています。同じ「横手やきそば」でも、食べ比べるほど異なる魅力が見えてくる。それが食べ歩きの醍醐味です。
なぜ横手やきそばは全国区になったのか?
横手やきそばがここまでの知名度を得た背景には、草の根の活動があります。2001年、焼きそばを愛する横手市役所職員が市内の名店を独自に食べ歩き、インターネット上で紹介したことがきっかけでした。その情報発信が口コミで広がり、同年に「横手やきそば暖簾会」が設立されることになります(出典:横手やきそば暖簾会公式サイト)。
転機は2006年。第1回B-1グランプリに出展し、全国区の注目を浴びながら2位に輝きます。そして2009年、地元・横手市での第4回大会でゴールドグランプリ(優勝)を獲得しました(出典:横手やきそば暖簾会「B-1グランプリ出展の経緯」)。全国から集まったグルメファンが横手の味を支持した瞬間です。
その後も暖簾会は2008年に協同組合化し、「横手やきそば道場」という公認制度を設けて全国の愛好者にも門戸を開いています。現在は海外の飲食店も加盟するほど、そのブランドは広がっています。最新の加盟状況は暖簾会公式サイトでご確認ください。
どの店に行く?歴代四天王と暖簾会加盟店の選び方
横手市内で暖簾会ののぼり旗を掲げる店を見かけたら、それが公認の横手やきそばを提供している証です。鉄板の上でジュウジュウと音を立てる麺が焼ける香りが路地に漂ってくれば、もう足が止まります。油の香ばしさとソースの甘みが混ざり合うあの匂いに誘われ、市内には数多くの名店があります。
加盟店の中でも「横手やきそば四天王決定戦」で選ばれた歴代四天王は、地元のファンが認めた名店です。常連として名を連ねてきた店には以下が含まれます(出典:横手やきそば暖簾会「店舗紹介」・観光情報サイト各種):
- 食い道楽 本店
- 藤春食堂
- 旨味処 出端屋(いではや)
- 皆喜多亭
ただし、各店の営業時間・定休日・メニュー内容は変動することがあります。訪問前には暖簾会公式の店舗紹介ページで最新情報を確認してください。有名店は昼時になると行列ができることも多いため、時間に余裕を持って動くか、ピークタイムを外すのがコツです。最新の加盟店マップは横手市オープンデータでも確認できます。
半日で回る!横手市内の食べ歩きモデルルート
横手駅を起点に動くのが一番効率的です。改札を出た瞬間から、市の中心部には暖簾会加盟店が点在しています。まず午前11時台に一軒目に入り、小サイズや並で注文するのがおすすめです。やきそばは一皿でも十分な満足感がある太麺なので、2〜3軒回るとかなりお腹にたまります。「絶対に食べ比べたい」という方は、小サイズ提供のある店を選ぶと良いでしょう。
二軒目は、一軒目とは異なるタイプの店を選びましょう。濃厚ソースの店の後は、あえてあっさり系の店を選ぶと味の差がくっきり分かります。二軒を食べ比べることで「自分の好みのタイプ」が見えてきます。同じ横手やきそばでも、ソースの深みや麺の太さ、目玉焼きの半熟加減は店ごとに異なります。
そこから徒歩で向かいたいのが横手公園(横手城)です。やきそばで温まった体に、天守から望む横手市街の眺めが心地よく広がります。腹ごなしの散歩にちょうどいい距離感で、体力を回復しながら三軒目の準備ができます。
夕方には市街地に戻り、地元の居酒屋でいぶりがっこや比内地鶏料理とあわせてやきそばで締めるコースも楽しいです。横手の夜は静かですが、地元の方との会話の中にこそ旅の記憶に残る出来事が生まれます。
やきそばだけじゃない!横手のB級グルメ案内
横手やきそばの陰に隠れていますが、横手エリアには他にも見逃せないご当地グルメがあります。やきそばで一軒目を制覇した後、追加で試したい秋田グルメをご紹介しましょう。
麺好きならぜひ足を延ばしたいのが、横手市十文字地区の「十文字中華そば」です。横手駅から南へ車で15分ほどの距離にあり、透き通ったスープとツルリとしたのどごしの麺が特徴的な醤油ラーメンで、やきそばのこってり感とは対極にあるあっさりとした後味が旅の胃袋をリセットしてくれます。
それとは対照的に、しっかりとした秋田の郷土料理を求めるなら「きりたんぽ鍋」があります。比内地鶏のスープで炊いたきりたんぽは外は香ばしく中はもっちりとした食感で、噛むほどにコメの甘みが広がります。ゴボウ・まいたけ・せりが加わる鍋は、秋から冬にかけて横手市内の郷土料理店でも提供されています。
忘れてはならないのが「いぶりがっこ」です。燻製した大根を漬けた秋田の伝統漬物で、鼻をくすぐるスモーキーな燻製香と独特のサクサクとした食感が特徴です。土産物店でも購入できるので、食べ歩きの締めにまとめて購入するのも賢い選択です。
横手やきそばフェスティバルとイベント情報
毎年秋に開催される横手やきそばフェスティバルは、市内外の暖簾会加盟店が一堂に会す一大グルメイベントです。普段は別々の店で提供されているやきそばが一か所に集まり、食べ比べを前提とした提供もあるため、まさに食べ歩き好きのための祭典です。2025年は9月27日(土)・28日(日)に秋田ふるさと村(横手市)で開催されました(出典:横手市公式サイト「横手やきそばフェスティバル2025」)。
2026年の開催日程はまだ正式に発表されていません。最新情報は横手やきそば暖簾会公式サイトまたはイベントページを定期的に確認してください。
また、例年2月に開催される「横手かまくらまつり」など冬のイベントもあわせて計画することで、横手の魅力を四季を通じて楽しめます。詳細は横手市観光協会公式サイトでご確認ください。
横手へのアクセスと食べ歩きのコツ
JR横手駅から市内の暖簾会加盟店の多くは徒歩圏内に点在しています。秋田新幹線を利用する場合は大曲駅で在来線(奥羽本線)に乗り換えて横手駅へ。詳細の所要時間と時刻はJR東日本公式サイトでご確認ください。
車でのアクセスには秋田自動車道・横手ICが便利です。市街地には横手駅東口の「よこてイースト駐車場」など複数の駐車場が整備されています。食べ歩きは徒歩移動が基本なので、駐車場を拠点に歩いて回ると効率的です。ただし冬季は路面が凍結しやすいため、スタッドレスタイヤや滑り止めシューズの準備を忘れずに。
食べ歩き成功のコツを3つ挙げておきます。1店につき小サイズまたは並で注文し2〜3軒を比較すること、午前11時台に動き始めて混雑ピーク前に一軒目を食べること、現金払いのみの店も多いため事前に現金を準備しておくことです。
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この記事は2026年4月現在の情報をもとに作成しています。店舗の営業状況・営業時間・定休日は変動することがあります。訪問前には各店の公式情報または暖簾会公式の店舗紹介ページで最新情報をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q: 横手やきそばの他の焼きそばと違う点は何ですか?
A: 最大の特徴は「半熟目玉焼き」と「福神漬」のトッピングです。また、麺は太くて真っ直ぐなゆで麺を使用し、ウスターソースをベースにした辛みの少ない柔らかい味わいが基本となっています(出典:横手やきそば暖簾会「横手やきそばの特徴」)。
Q: 横手やきそばはいつ食べに行くのがおすすめですか?
A: 年間を通じて食べられますが、秋の「横手やきそばフェスティバル」(例年9月下旬)の時期は多くの加盟店が一堂に集まるため、食べ比べのチャンスです。混雑を避けたい場合は、平日の午前11時台がおすすめです。
Q: 暖簾会加盟店はどうやって見分けますか?
A: 暖簾会加盟店には「横手やきそば」ののぼり旗が目印として店頭に出されています。また、暖簾会公式の店舗紹介ページで最新の加盟店リストを確認できます。
Q: 横手市へのアクセスは?
A: 秋田新幹線で大曲駅まで行き、奥羽本線に乗り換えて横手駅が最寄りとなります。詳細の時刻・所要時間はJR東日本公式サイトでご確認ください。車の場合は秋田自動車道・横手ICが便利です。
Q: 横手やきそば以外にも横手のグルメは楽しめますか?
A: はい。横手市十文字地区の「十文字中華そば」や、秋田を代表する郷土料理「きりたんぽ鍋」「いぶりがっこ」などもあわせて楽しめます。横手やきそば食べ歩きと組み合わせることで、秋田のB級グルメを余すところなく体験できます。

